なぜ、トリドールホールディングはDXに取り組んでいるのか。理由はきわめてシンプルです。「食の感動」を世界に広げる真のグルーバルフードカンパニーを目指しているから。そのまっすぐで熱いトップの意思を、インタビュー形式でたっぷりと語りました。3部構成の動画「食の感動について」「DXについて」「グローバルフードカンパニーへの道」と、さらに詳しくお答えしているテキスト原稿も公開します。
DX以前のトリドールホールディングスは、老朽化したシステム基盤やサイロ化した業務システムを抱えており、グローバルフードカンパニーを目指すにあたって成長の足枷になっておりました。
そこで2019年12月に「ITロードマップ」を策定し、ITシステム刷新と業務改革に着手しました。さらに2021年1月にはITロードマップをブラッシュアップした「DXビジョン2022」を公表し、業務システムのモダナイズとオフバランスを推進してきました。
2022年11月には経営理念の刷新に伴い、新たに「DXビジョン2028」を策定しました。これまでの取り組みを継承しながら、経営理念を実現するビジネスプラットフォームの構築に取り組んでいます。
「トリドールホールディングスの取り組みは、日本における最先端のDX事例だ」と語る、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授が、磯村康典執行役員CIO/CTOと「真のグローバルフードカンパニーを目指すDXの進め方」をテーマに対談。DXをどのように進めたのか、成功している秘訣は何か、次の展開をどう考えているのか。そんな入山教授の問いかけに磯村CIOが明快に答えます。
店頭に並ぶ揚げたてのコロッケやメンチなど、肉のヤマ牛両国店の店頭には、お客様が切れ目なく訪れています。切りたて肉を炭火で焼いて提供することで人気のお店ですが、ここは都内でも飲食激戦区のひとつ。奮闘する早田翔太店長に、店内、デリバリー、テイクアウトの3つの注文を効率よく確認できるiPas POSの便利さについて聞きました。
丸亀製麺西神戸店には、iPad POSの導入後、いち早く高速自動釣銭機が2台導入されました。レジの待ち時間が激減し、お客様満足度が高まったと喜ぶ佐藤美沙希店長。麺職人でもある佐藤店長が追求する、打ちたて、作りたてのうどんを最高の状態で味わっていただくこと。その美味しさをよりスピーディーにお客様に提供することができるようになったと語ります。
「お客様を待たせたくない」――丸亀製麺大山店の熊川将太郎店長の思いに、DXが応えてくれました。コロナ禍で増えたデリバリーやテイクアウトの注文、店内がお客様でいっぱいのときにも入ってきます。すぐにキッチンに情報が届かないという状況を改善したのが、デリバリー注文を一元管理するサービスでした。それによって、丸亀製麺が大切にしている接客の時間を増やすことにつながったのです。
アメリカの巨大IT企業から転職した経営企画室の武末成祐室長は、すでに始まっていたトリドールホールディングスのDX推進に驚きました。それは、バックオフィス業務を社内で抱えず、徹底してBPOセンターに任せる体制にしていたからです。そして「食の感動体験」を世界へ広めるグローバルフードカンパニーに成長するためにはDXが不可欠で、その道筋を示す中長期経営計画作成にもDXは必須だと話します。
総務部の土屋菜穂さんは、ABWが推奨される渋谷本社が素敵な職場だと思っていたのですが、実は原本で作業しなければいけない業務が多いなど、現実とのギャップを感じていました。それを一掃してくれたのがDX推進です。膨大な請求書処理業務や経費精算などの業務が効率化され、時間に余裕できたと話します。さらに時間とコストを削減する取り組みにも意欲的になり、新たな挑戦をしています。
DXプロジェクトを主導するBT本部DX推進室の海老宏知室長。お店のスタッフが「お客様に感動体験を提供する」ことに集中してもらうため、必要な環境を用意することに注力しています。他に例を見ないほどのスピードでDXを進めてこられた理由、大切にしてきたポイントなどについて聞きました。ほんとにできるの?と疑問視されたスタート時から、次第に信頼を得ていった過程も明らかにします。
BT本部ができる半年前に肉のヤマ牛を立ち上げた恩田和樹取締役社長は、業務のIT化を推進してきた一人です。DX推進体制ができたので、新業態の立ち上げに専念できるようになったと語ります。お客様へのサービス向上につながった紙の伝票廃止、テイクアウト、イートイン、モバイルオーダー、デリバリーと4つのオーダーに対応する体制ができ、収益も大幅に向上、新たな目標もできたのです。
丸亀製麺をはじめとするトリドールグループの店舗には、店舗業務の効率化を目的にNECモバイルPOSが導入されています。NEC様とトリドールホールディングスがパートナーとして共創し、共に育てていく点がポイントであるというサブスク型POS。どのような苦労があったのか。両社の関係性や、導入秘話を含めNEC スマートリテール統括部モバイルPOSグループ長・兼ディレクター、黒田正治様にお聞きしました。
「食の感動体験」を広めようとするトリドールホールディングス(以下、トリドールHD)にとって、最も大切なのは店舗。その店舗支援のため、バックオフィスをBPO化するのは必須でした。しかも大胆で徹底したBPOとSaaSの組み合わせによるDXは、前例がほとんどない、といいます。その前代未聞BPO化と向き合ったトランスコスモスの小林様に、どのようなご苦労があったのか、具体的にお聞きしました。
「将来を見据え2000店舗が同時に利用しても問題がないクラウドサービスにしてほしい」。そんな依頼が、トリドールホールディングス(以下、トリドールHD)から東計電算にもたらされたのは2000年初めのことでした。これまでのノウハウだけでは構築できない。チャレンジが必要でした。トリドールHD側も貴重な情報を提供するなど、両社で試行錯誤を重ねた共創のドラマを、東計電算の営業担当者、桑原様に聞きました。