私は肉のヤマ牛に2021年10月に入社しました。ちょうどそのころから肉のヤマ牛全店にiPad POSが導入されたりと、店舗でのオペレーションの変革期でした。
iPad POSが導入される前のPOSレジは新しい商品が追加される度にお店でPOSキーの割り付けや、オーダーエントリー用端末の設定などの作業を行う必要があり、毎回1時間程度の時間が必要だったと聞いています。新しい商品が追加される際にはお店で調理手順の確認を行い、全スタッフへその講習や食材の準備など諸々の作業が必要だったため、そうした作業がなくなったことは大きな改善でした。
また、iPad POSが入ってすぐにフードデリバリーサービスの注文を一元管理するツールが導入されました。それまでフードデリバリーサイトから注文が入るとひとつひとつ注文内容をPOSレジでスタッフが全て打ち込んでいたため、レジ入力の抜け漏れが発生するなど、ミスがおきることが課題でした。しかし、このサービスの導入により手打ちの作業がなくなったので、ミスもなくなりました。また空いた時間を使って接客や調理という一番重要なことに集中できるようになったのが最も大きな改善です。
店長の仕事を大きく分けると、事務作業、店舗のオペレーション、そして従業員のトレーニングです。事務作業の中で最も時間をかけているのがワークスケジュールの作成です。ワークスケジュールの作成を行うのにはまず、お店のスタッフの誰がいつ出勤するのかという週間の勤務予定を作成します。勤務予定が確定したのちに、1日の中で1時間ごとにいつ誰がどのポジションにつくのか、という時間帯別のポジション配置を決めていきます。肉のヤマ牛両国店では、お昼どきランチの対応に6名のスタッフが働いています。午後はまた別の6名のスタッフで、午後から夜のディナーにかけて対応をしています。このスタッフの人数を揃えるのが大変です。場合によっては6名が必ずしもすべてのポジションをこなせる状態にないこともあるので、誰にどのポジションをやっていただくのかを考えることに一番時間を使います。まるで難しいパズルのようです。いつも頭を悩ませているこの作業が、今後DXにより省力化される予定で準備されていると聞いていて、すごく期待していまして、その日を心待ちにしているところです。
肉のヤマ牛両国店がある通りは、大手チェーン店の牛丼屋さんや、行列ができるとんかつ屋さん、焼き肉店などがある飲食の激戦区です。しかし、肉のヤマキ商店では、「食の愉しみ」をお客さまにお届けし、手づくり出来立ての感動体験をお届けしたい、という意識が当たり前になっています。
とはいえ、作業に追われている状態では、手間暇かけた調理やお客様へのお声かけなどに時間を使うことができなくなってしまいます。切りたて肉をその場で焼いて、麺を打って、いい出汁を取って温麺や冷麺を作る。こんなふうに他の飲食店では提供できない食べ物をつくっていることが私たちの戦い方であり、働きがいになっています。DXによって空いた時間を使い、これからも私たちの強みを伸ばしていきたいと思っています。