私はトリドールホールディングスへ2019年10月に入社をしました。そのときからトリドールホールディングス本社ではABW(アクティビティ・ベースド・ワーク)、その日の業務に合わせて働く場所を選ぶ、という働き方を推奨していました。
渋谷オフィスでは執務室が東西に分かれていますが、その日の気分によって東にいたり、あるいは西にいたりとまったく自由なんです。場合によっては在宅勤務をされる方もいます。すごく素敵な職場だなと思っていたのですが、実際実務を行うにあたっては上司のハンコをもらうために上司を見つけなくちゃいけなかったり、原本で作業をしなければならない業務も多く、事務所で作業をしなければならない制約があったりと推奨しているものと現実の制約にギャップを感じていました。
総務部の仕事は、月末月初は作業に追われたり出社しないとできない仕事が多くありました。例えば請求書処理業務がわかりやすいと思うのですが、月末月初は大量の紙の請求書の支払申請をあげて、それぞれの申請書を印刷して請求書原本と一緒に経理部へ提出するという作業が必要で、出社しないとできない仕事でした。どうにかならないかなぁと思いつつも作業をこなしていたところDX推進によりクラウドの請求書受領システムを導入するということになり、業務がガラリと変わりました。
業務としてはお取引先様に請求書受領システムを利用していただき請求書をアップロードしていただければ、請求書受領システムが社内のワークフローシステムと連携しているので、ワークフローシステム側で申請、承認を行えばよいだけとなりました。請求書原本の管理、保管についても電子化されたことによりペーパーレスで、コスト削減にもなり、場所を選ばず作業ができるようになりました。申請書を印刷して提出する必要もなく、システム上で処理が完結するので、もちろん在宅での作業も可能です。
入社直後から行っている作業のなかに経費の精算業務があります。これもDX推進によりガラリと変わったものの一つです。以前は請求書の処理同様、台帳を印刷して領収書の原本を貼り付け、上司のハンコをもらったうえで経理部に提出、という作業を事務所で行う必要がありました。今は領収書の写真をスマホで撮り、最低限の情報を入力しそのまま申請するだけ、という形になりました。これにより以前に比べて作業が非常に楽でスムーズになりました。
もうひとつ困っていたこととして、社内のコミュニケーションツールが複数混在していたということがありました。そのため、ある人はこのツールが好きだからといって使うし、Googleのチャットサービスがいい人はそれを使うといった具合に。たとえば、あの人はこのツールだと反応が早いからこれを使わなきゃ、といった具合にもう煩雑で、入社直後は全部慣れるまでに時間がかかって大変でした。それがいまは、「Office365」のTeamsに一本化され、新たに入社される人への説明も楽になりました。
このようにDXによって、作業は効率化し、働く時間に余裕ができました。その余裕ができた時間は、さらに効率化を進めるべく頭を使う時間にしています。これまで「こうなったらいいのにな」と言っていたことが、そのとおりに変わってくれるので、さらに効率化とコスト削減に取り組もうと意欲的になれるのです。
総務は営業店舗のように売上をたてることはできませんから、業務の改善を図って、使うコストをできるだけ削減することが求められます。ひとつの方向は、紙の業務をできるだけ減らし電子化するということです。そこでいま取り組んでいるのが、電子契約です。これが実現できれば、郵送での書類のやり取りや契約書の保管作業・場所がいらなくなり、時間とコストの削減につながります。「攻めの総務部」の一員として、会社とともにさらなる成長を目指していきたいです。