◆PROFILE
大湯 緑
2022年10月入社
海外事業本部 MARUGAME UDON BU
上智大学 国際教養学部 国際教養学科卒
上智大学を卒業後、日本マクドナルドへ入社。店舗業務を経て、ナショナルマーケティング部へと配属。主にファミリー向け商品のマーケティングを担う。トリドールホールディングスへは2022年にジョイン。様々なブランドの海外展開に関連するマーケット調査・分析・ブランドカルチャー形成など、今後の海外展開の鍵を握るナショナルマーケティングのスペシャリストとして活躍している。
・トリドールホールディングスに入社する前のキャリアを教えてください。
新卒で日本マクドナルドに入社して、店舗でのアシスタント業務からスタートしました。その後店長となり、約3年間、現場での仕事を経験しました。日本マクドナルドに入社を決めた理由は、「成長スピードの早さ」に魅力を感じたからです。誰もが知るブランドということもあり、効率的なトレーニング方法が確立されていて、地に足をつけて着実に最短距離で成長できると思いました。「海外」も仕事の軸にはありましたが、それよりはまずベーシックなビジネススキルを身に付けたいという気持ちのほうが大きかったですね。
4年目にマーケティング本部へと異動となり、ナショナルマーケティングのキャリアがここからスタートします。様々な商品のマーケティングに携わりましたが、一番長く担当していたのはおもちゃのついたファミリー向け商品。どんなおもちゃにするかの企画から市場調査、製造、TVCMの作成まで一連の業務を担当します。基本的なフレームワークもここで学びましたが、一番身についたのは「ターゲット目線で考える」癖がついたことだと思います。おもちゃのことを大人がいくら理詰めで考えても、子どもにとっては「カッコいい」とか「かわいい」とかが大事なんですよね。マーケティングセオリーとか手法も大切ですが、それと同じくらい「気持ち」の部分が重要。マーケティングはそのかけ合わせですべてが決まると思っています。
・なぜトリドールホールディングスへの転職を決めたのですか?
日本マクドナルドでの仕事はとても面白く、自由度も高いものだったので、やりがいも十分感じていました。でも、同時に少しこなれてきてしまった感じもありました。もっと困難を前にして苦しみながら前進していくような挑戦や成長がしてみたいと思ったのが一番の理由です。また、学生時代から心の中にあった「海外」との関わりをもっと深く経験してみたいという気持ちも大きかったです。日本マクドナルドでも海外と関わる業務はありましたが、「海外から日本」ではなく、「日本から海外」へ打って出たいという想いもありました。
それでいうと、まさにトリドールは私が理想とする仕事ができる会社だと思ったんです。ものすごい成長を見せていましたし、今まさに日本の食を世界に発信しようとしている。システムが完成されたブランドではできないことが、トリドールでならできると感じました。
・トリドールホールディングスでの仕事について教えてください。
入社後は海外マーケティング部にジョインし、主に海外に展開する丸亀製麺(MARUGAME UDON)のリブランディングを手掛けています。海外にブランドを展開するに当たり、ブランドとしての統一感が必要不可欠になってきます。その中でも私はインナーブランディング(従業員側)におけるブランドカルチャーの形成を進めています。
外向けのブランディングは分かりやすいですが、内向けのブランディングは人の心に関わる部分なので非常に難しく、どう設計したらいいのか頭を悩ませました。たくさん本で勉強したり事例を参照したりもしましたが、結局はこれまで私がやってきたことと同じで「気持ち」にフォーカスする必要があると気が付いたんです。
そこで行ったのが、自分で実際にキッチンの中に入って働いてみること。日本マクドナルド時代も店長をやっていましたが、カウンターの外からでは決して見えない世界があると思ったんです。実際にキッチンに立ってみると、どんな時にモチベーションが上がるのか下がるのか、どの瞬間に喜びを感じるのか、働く側の気持ちがよく分かります。そこで分かったのは、結局は「シンプルなことが本質」だということ。働いて嬉しいことって、例えば隣の人と息が合ったとか、ちょっとしたことを褒められたとか、そんなシンプルな想いだったりするんです。その想いはトリドールが大切にする「KANDO」とも直結する。そして、その想いを行動指針として言語化した「THE MARUGAME WAY」を策定しました。
・カルチャーをつくるために、実際に現場で働く。大湯さんの本気を感じました。
もともと負けず嫌いな性格なんです(笑)。正直、今回のプロジェクトはこれまでやったことがない領域ですし、マーケティングの枠外にある部分も多い。でも「絶対に成功させたい」という想いは強く持っています。だからこそ、自分ができる事は、例えマーケティングの領域外でもすべてやりたいと思い、それがアクションにつながったのだと思います。
・大湯さんの成果へのモチベーションはどこから湧いてくるのですか。
単純に「知らないことを知りたい」という好奇心が強いんだと思います。本当に知りたいならアクションを起こさないと一生分からないままになる。それならいっそ飛び込んで、苦労したり、悩んだりしたほうが、得られるものも大きいと思います。
高校生のときに1年間アメリアのユタ州に留学していたことがあるんです。当時は、英語も全然話せませんでしたが、新しい世界に飛び込んでみたいと一歩踏み出しました。この経験が、「知らないことを知りたい」という想いの原点だったのかもしれません。実際に留学すると、思ってもいない体験をたくさんしました。ホストファミリーがネイティブアメリカンの家庭で、ホストファミリーの実家に帰省すると、そこはアリゾナの砂漠地帯。生きていた羊をその場でさばいて食べたり、ものすごいカルチャーショックを受けたのを覚えています。人生は何が起こるか分からない。誰と出会うか分からない。色々な縁でつながっているんだとそのとき思いました。
・それでいうとトリドールにジョインしたことも大きな縁ですね。
本当にそう思います。トリドールは今、海外ブランディングや、マーケティングをどう進めていくかの創造期にいます。正直、色々とまだまだ一から作り上げなければならないものが山ほどあると感じています。マーケティングツールにしてもカルチャーにしても、使ったり、体感したりしたことはあっても、作り出した経験はそこまでありません。ただ、方向性を示してくれる素晴らしい上司にも恵まれていますし、過去の経験のおかげでたどり着くべき場所のイメージが何となく湧くところもあるので、そこからプロセスをデザインしていくか逆算していけばいいかなと思っています。もちろん道中を手探りで進めるのは変わりませんが、進むべき方向は間違っていないと思います。そんな風に学びながら手探りで進める仕事で、「知らないことを知りたい。」という欲求も満たされている感覚がありますね。
・今後、挑戦していきたいことはありますか?
まずは今関わっているプロジェクトをカタチにしていくことが挑戦であり目標です。カルチャーをつくっていくというのは、数ヶ月で完成するものではありません。何年もかけて醸成していく必要があります。少しずつ外と内からブランディングを浸透させていき、世界中どこの丸亀製麺(MARUGAME UDON)で働く人も「自分はMARUGAMEファミリーの一員なんだ」と感じられるカルチャーをつくっていきたいです。
・さらにその先はトリドールファミリーですね。
最終的な目的地はそこになりますね。トリドールの魅力は、様々なブランドを展開していることです。1つ1つのブランドに個性や文化もありますが、それでもトリドールグループとして「本能が歓ぶ食の感動を探求し世界中をワクワクさせ続ける」という同じミッションを目指していて、そこが面白いところだと思います。。実際、トリドールの「哲学」を浸透させ、それぞれのブランドがより高いレベルの「感動体験」を提供できるようになる為の様々なプロジェクトがすでに進んでいて、それがトリドールファミリーのカルチャーというところにも繋がっていくのではないかなと感じています。入社する前は、ここまでブランドのコアな部分に関われるとは思ってもいませんでした。マーケティングの枠を越えて、よりダイナミックな世界に挑戦できていることが何より楽しいです。