◆PROFILE
持木 舞
2022年3月入社 内部監査室次長
オレゴン大学インターナショナルビジネス専攻卒
米オレゴン大学を卒業後、国内大手物流系システム会社へ入社。その後、Big4(世界4大会計事務所)のひとつKPMGにてIT監査に従事。KPMGでの海外子会社や外資系企業の監査経験を活かし、同じくBig4の1つ、有限責任監査法人トーマツへと入社。そこで海外子会社の内部監査プロジェクトを多数経験。トリドールホールディングスへは2022年にジョイン。監査・業務改善のプロフェッショナルとして、会社の屋台骨を支えている。
・トリドールホールディングスに入社する前のキャリアを教えてください。
オレゴン大学卒業後は、物流系システム会社に入社してシステム営業を行っていました。そこで物流システムの海外展開プロジェクトに携わり、その経験から「海外展開に関するコンサルがしたい」と思うようになり、KPMGに入社することになります。
KPMG時代は、前職で培った「IT×英語」という強みを活かし、IT監査のコンサルを行います。主にクライアント企業の海外子会社や外資系企業におけるシステム監査が仕事で、数々のプロジェクトに参画しました。この時の経験が今のキャリアの土台になっていると思います。
さらにトーマツでは、ガバナンス体制やリスクマネジメント体制の構築に関するコンサルを手掛け、海外子会社に対する内部監査プロジェクトにも数多く携わりました。海外出張に行く機会も多かったですね。
・順風満帆なキャリアのように思いますが、どうして転職を決めたのですか?
正直言うと、企業規模も、収入面も、働き方に関しても不満はなく、恵まれた環境だったと思います。では、なぜ転職を決めたかというと、「もっと企業に深く入り込んだ監査、改善がしてみたい」と思ったからです。
コンサル会社ではプロジェクト単位の仕事が中心で、例えば3ヶ月である企業のガバナンス体制構築の提案をして、次の3ヶ月で別の企業の内部監査業務を行ったりします。なので、短期間で業務を行う関係上、どうしてもクライアントのことを深く知るには限界があります。またもうひとつ、私が行った業務の「結果」が見えにくいという問題もありました。私の提案が実際に採用されたか、実施されたか、改善につながったか、その結果を詳細に知る機会は限られています。結果を見届ける前に次のプロジェクトが始まる。その業務スタイルに物足りなさを感じていました。
コンサルの仕事にも十分やりがいを感じていましたが、「事業会社の中で深く会社のことを知り、内部から事業の状況や問題点を把握した上で改善活動に取り組んでみたい」という想いがどうしても諦めきれず、思い切って一歩踏み出す決断をしました。
・数ある事業会社の中でなぜトリドールホールディングスへのジョインを決めたのですか?
一番の理由は、圧倒的な成長を見せている企業だったからです。これから海外展開に力を入れていくということもあり、自分のキャリアが存分に活かせますし、成長しているからこそチャレンジの場も多いと思いました。そして、この選択は大正解でしたね。
・トリドールホールディングスでの仕事について教えてください。
これまでの経験を活かして、内部監査業務を行っています。内部監査の仕事を簡単に説明すると、会社や各部門、子会社などのリスクを把握して、きちんと対策がとられているかチェックする仕事です。
※マイナスを減らすという側面だけでなく、プラスとなる「機会」を逃していないか、という側面も、もちろんあります。
これまでとの違いは、コンサルではできなかった事業会社ならではの時間をかけて深く入り込んだ監査ができていることですね。少し前にある海外子会社の監査を実施したのですが、本当にゼロからのスタートでした。まず「どんな業務をしているのか」の把握からはじまり、「そもそも内部監査をどう構築するか」をゼロから考えていく必要がありました。監査は決められたルールに従って画一的に進めていくように思っている方も多いと思いますが、実は自由度が高くクリエイティブな要素も多分にある業務です。例えば、飲食店というカテゴリー1つとっても、居酒屋とうどん屋では業務フローは異なります。さらに国が違えば文化も法律も大きく違います。通り一辺倒ではなく、1つ1つの業務をしっかりヒアリングし、ゼロから監査をつくっていく。この過程がまさに私がやりたかった仕事だと思いますし、今は素直に楽しさを実感しています。
・転職時の想いをトリドールホールディングスで実現できているんですね。
そうですね。1年以上じっくりと会社の中に入り込んで監査を構築していくのは初めてだったので、とても刺激的な仕事でした。一番大きいのは長く継続的に話を聞けることです。会社の文化・風土、働く人の人柄・性格、部門間のつながりや歴史など…深いところを知ると、今まで見えて来なかった「本質」に辿り着くことができます。本質を理解した上で考える改善策は、その組織を本当に変えていける力を秘めていると思うんです。
トリドールは今も急成長を続けている企業です。これからもどんどん新しい店舗や子会社が誕生していきます。それも世界中のあちこちに。そのたびに新しい監査方法をつくり上げていく必要があるので、もちろん大変なこともありますが、今はワクワクする気持ちのほうが大きいですね。
・一貫して「海外」というキーワードがキャリアの軸としてあるように思います。
それは、いつ頃から芽生えたものなのですか?
原体験としてあるのは、中学2年生の時に行った海外でのホームステイ体験です。アメリカのインディアナ州に2週間滞在して、そのとき「異文化と触れ合う楽しさ」「海外の人と会話する楽しさ」を肌で感じたのを覚えています。その経験がきっかけで、大学も海外を選択することにしました。意外とこの時の気持ちが今でもベースになっていて、「新しいものに触れたい」「海外での仕事がしたい」という想いが、仕事を選ぶ上での価値観につながっている気がします。
・その他に仕事をする上で大切にしている価値観はありますか?
周囲から知見を得ることを意識していますね。もちろんこれまで積み上げてきた自分自身の経験や知識は力になりますが、まだまだ足りない部分もたくさんあります。上司や同僚などトリドール内から情報を集めることもありますが、最近では社外からも広く知見を得るために交流会に参加しています。私が中心となって交流会を主催し、同業他社の監査担当者と意見交換ができる機会をつくりました。「こんな視点があるのか」と新しい発見があり、刺激的な場所になっています。
・今後、挑戦していきたいことはありますか?
内部監査室の主なミッションは、「会社のリスクをいかに軽減できるか」というものです。つまり、守りの体制をつくっていくことです。でも、守りを固めすぎると、今度は攻めが弱くなります。トリドールは攻めの姿勢で成長してきましたし、それが魅力でもあります。この攻守のバランスを考えながら、どう守りを固めていくか。これが今後の挑戦になると思っています。
そのためには、内部監査はもっと高度化していく必要があります。より経営に近いポジションをとり、経営に対して助言できるような組織に成長していくことができれば、より会社の成長に貢献できるはずです。
・会社が大きくなるほど監査の役目もさらに重要度が増していきますね。
本当にその通りだと思っています。特に飲食業界は、あまり良いイメージを持っていない人も多くいます。それは、今までの飲食の在り方が、労働時間が長かったり、衛生面に問題があったり、マイナスのイメージを与えてしまう環境だったことが要因です。でも、この部分は内部監査がしっかり機能すれば、大きく改善できる部分なんです。
その点でいえば、トリドールは飲食業界のイメージをガラリと変える可能性を秘めている企業だと思っています。トリドールが業界を引っ張り、業界全体のイメージアップを推進していく。それを裏側で支えていくのが、私たち内部監査のもうひとつの大きなミッションだと思っています。