当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)における当社グループの経営環境は、前期比で人の移動量が増加し、客数の回復を押し上げました。
このような環境において当社グループは、国内では訴求力の高い商品開発、店舗設計と来店動機の訴求に取り組みました。海外事業においては2023年7月に英国Fulham Shore社を子会社化し、第2四半期連結会計期間から連結しました。
これらの結果、売上収益は2,319億52百万円(前期比23.2%増)と過去最高となり、丸亀製麺、国内その他、海外事業の全セグメントで過去最高を記録しました。
国内外で原材料費、人件費、水道光熱費が増加したものの増収で吸収し、事業利益(注1)は145億36百万円(前期比108.1%増)と大幅な増益となり、こちらも過去最高となりました。
前期は新型コロナウイルス感染症に係る時短協力金などの政府補助金44億3百万円を計上しましたが、当期は42百万円に留まったことにより、その他の営業収益は前期比で45億96百万円減少したものの、事業利益の大幅増で吸収しました。一方、その他の営業費用は、前期は一過性の中国事業整理費用12億27百万円を計上したため、前期比で14億17百万円減少しました。
これらの結果、営業利益(注2)は116億47百万円(前期比56.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は56億75百万円(前期比48.3%増)となり、共に大幅な増益となりました。
(注1)事業利益:売上収益-売上原価-販売費及び一般管理費
(注2)営業利益:事業利益-減損損失+その他の営業収益-その他の営業費用
丸亀製麺セグメントにおいては、当期からブランドコミュニケーション「うどんで、あなたを驚かせたい」を開始し、選ばれ続けるためのパーセプションを形成するブランド戦略と、衝動をつくる商品戦略を組み合わせ、ブランド価値と顧客体験(CX)と従業員体験(EX)を同時にスパイラルアップさせるマーケティング戦略を展開しました。
2024年2月には創業時から提供している看板商品「釜揚げうどん」にフォーカスした新TVCM「ふわふわ!もっちもち!釜揚げうどん」篇を全国放映しました。一軒一軒すべての店で毎日、粉から打つうどんだからこそ自信を持っておすすめできる看板商品のおいしさを訴求したことにより、定番商品の売上が増加しました。
2024年3月には、麺職人(注3)の全店配置がついに完了しました。全店配置を記念して麺職人だけで運営するポップアップ店舗「丸亀製麺所」を東京都神田小川町に期間限定で開設し、「丸亀製麺所 三種の利きうどん」を提供したり、麺職人にフォーカスして、よりおいしいうどんを届けたいという想い、こだわりや自信をTVCM、イベント、特設サイトなどで訴求しました。
季節ごとのフェア商品も好調に推移し、当連結会計年度の下期は「ひと手間かけた冬のうまい!」シリーズを展開しました。第1弾として2023年12月5日から販売した「鴨ねぎうどん」と「肉がさね玉子あんかけうどん」は、それぞれ約160万食、約177万食を販売する大ヒットとなりました。第2弾は12月12日からブランド牛を使用した「鹿児島黒牛 和牛すき焼き釜玉うどん」を期間限定販売、第3弾は2024年1月3日から15日まで本ずわい蟹を使った「かに玉あんかけうどん」を販売しました。シリーズ最終の第4弾は、広島県産牡蠣を贅沢に6個使用した「牡蠣たまあんかけうどん」と、新作「牡蠣ぶっかけうどん」を1月30日から投入しました。
一方、人件費上昇や原価高騰に対処するため、2024年1月16日に一部商品の価格改定を実施しました。
これらの取り組みにより、売上収益は1,148億56百万円(前期比12.5%増)と過去最高となりました。原価、人件費、広告宣伝費も増加しましたが、増収で吸収し、事業利益も過去最高の183億51百万円(前期比57.9%増)と大幅な増益となりました。
(注3)麺職人:理想的なうどんを作る専門人材で、丸亀製麺独自の人材育成システム
国内その他セグメントには、「コナズ珈琲」、「ずんどう屋」、「肉のヤマ牛(注4)」、「晩杯屋」、「天ぷらまきの」、「とりどーる」、「豚屋とん一」、「長田本庄軒」、「焼きたてコッペ製パン」が含まれております。
87店舗を運営する豚骨ラーメンのずんどう屋は、大阪など関西の既存店が特に好調に推移したことに加えて、新店13店も順調に収益化し、高収益性を維持しました。
「いちばん近いハワイの食卓」をコンセプトとするコナズ珈琲は、既存店の客数・客単価がともに上昇したほか、新店の八千代緑が丘店が国内トップクラスの月商を上げ早期収益化が進みました。
肉のヤマ牛は、2023年11月にオープンしたグローサラント(注5)型店舗の赤羽店が好調に推移しました。また、2024年2月にオープンした竹ノ塚店は店内飲食スペースを設置せず、弁当・惣菜のテイクアウト・デリバリー販売に特化した新型モデル店舗ですが、3月に同業態で最高の月商を記録しました。
天ぷらまきのは季節の食材をメインにしたフェア定食や天ぷらを強化し、外国人観光客が増加するなどインバウンド需要の取り込みにも成功しました。
豚屋とん一は11月14日にオープンした松戸駅前店は、弁当のテイクアウト販売にも注力し、同業態トップクラスの売上で推移しました。
これらの結果、売上収益は284億60百万円(前期比15.0%増)となり、事業利益も過去最高の44億51百万円(前期比46.2%増)と大幅な増益となりました。
(注4)「肉のヤマキ商店」は2023年11月29日付で「肉のヤマ牛」に商号変更しました。
(注5)グローサラント:グローサリーとレストランを融合した業態
スパイシーヌードル業態のTam Jaiは中国で6店、香港で7店、シンガポールで1店増加して計229店舗となり、増収増益となりました。Marugame Udonについては、台湾で6店増加し、人材教育が奏功して商品・サービスの品質が向上したことにより大幅な増収増益となりました。米国においても既存店の客数増加や新店が好調に推移したことなどにより増収増益となりました。英国でも集客力の強化に取り組み、増収となりましたが、成長のための投資が先行している状態が続きました。
第2四半期から英国Fulham Shore社を連結したことや、為替影響もあり、売上収益は過去最高の886億37百万円(前期比44.2%増)と大幅な増収となりました。事業利益は、米国で当第4四半期に一過性の費用6億56百万円が発生した影響で計画は下回ったものの、29億70百万円(前期比64.2%増)と大幅な増益となりました。
百万円(前期比)
売上収益 | 265,000(+14.2%) |
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事業利益 | 18,100(+24.5%) |
営業利益 | 14,100(+21.1%) |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 6,460(+13.8%) |