トリドールグループは、事業を通じた社会課題解決に貢献し、持続可能(サステナブル)な社会の実現を目指し、サステナビリティ基本方針およびトリドール行動基準に基づき、取り組みを進めています。
私たちトリドールグループは、「食の感動で、この星を満たせ。」をスローガンに掲げ、お客様・従業員そしてすべてのステークホルダーに寄り添い、コミュニケーションと協働を図ることでこれからも新しい価値と感動を創造し続け、持続可能な社会を実現することを目指しています。
取り組みにあたっては、高い倫理観と誠実な事業活動を前提に、グローバルな視点で考え、地域に根差した実践的な活動を推進します。
トリドールグループは代表取締役社長を委員長とし、取締役、執行役員、ホールディングスの部門長、国内子会社社長、海外子会社主幹部門長を委員とする、「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。
同委員会は年4回開催され、環境・社会問題など多岐にわたる経営課題に対して企業として対応していくための全社横断組織として機能し、課題への対応について方針・計画を検討し、各組織と連携し、進捗状況の把握・評価を行っています。
また、代表取締役社長の直下にサステナビリティ推進部を設置し、リスクマネジメント委員会、働き方改革委員会、環境委員会等の運営と、全社横断的なサステナビリティ活動の推進を行っています。
トリドールグループはグローバルに事業展開しており、多岐にわたる社会課題とのかかわりがあります。そのため、それら多くの社会課題の中で優先順位をつけ、選択と集中により活動を効果的に行う必要があります。当社グループは2022年3月、社会からの関心度が高く、自社にとって影響度の高い社会課題を、ESGマテリアリティ(重要課題)として特定しました。また、従業員一人ひとりが具体的にESGマテリアリティに取り組めるよう、KPIを設定し、活動の進捗を測っていきます。
さらに、社会環境の変化を踏まえ、2024年度はESGマテリアリティの見直しを行いました。
カテゴリー | マテリアリティ | KPI | 結果 | 対象範囲 | 関連するSDGs |
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食の 感動体験を 世界に | 食の楽しさ・ 豊かさの提供 | ●店舗数: 2,000店 | 店舗数: 1,951店 [未達成] | 丸亀製麺 KONA’s 肉のヤマ牛 トリドールジャパン | ー |
食品安全 | ●外部衛生検査機関による年2回の衛生監査の実施 ●食品衛生法上の行政処分が0件(重大な食品事故0件) | ●外部衛生検査機関による年2回の衛生監査の実施[達成] ●食品衛生法上の行政処分が0件[達成] | 目標2:飢餓をゼロに | ||
人と社会 とともに | 人材育成 | ●麺職人資格合格者全店舗 配置 | 麺職人資格合格者数 1,696名以上 全店舗配置完了[達成] | 丸亀製麺 | 目標4:質の高い教育をみんなに |
雇用維持・創出 | ●学習ツールの導入後の再検討 在籍人数 ・社員:1,010名 ・パートナースタッフ:26,000名 | ●研修体系の見直し実施 達成 ・社員:1,051名[達成] ・パートナースタッフ:25,016名 [未達成] | 目標8:働きがいも経済成長も | ||
多様性の尊重と 働き甲斐のある 環境づくり | ●女性の管理職比率:15% ●労働災害度数率:2.0未満・ 千人率:2.0未満 | ●女性の管理職比率:16.6%[達成] ●労働災害度数率:2.06未満[未達成]・千人率:1.65未満[達成] | トリドールHD 丸亀製麺 KONA’s 肉のヤマ牛 トリドールジャパン トリドールD&I | 目標5:ジェンダー平等を実現しよう 目標8:働きがいも経済成長も | |
地球 とともに | 資源循環の 推進 | ●食品廃棄物排出量(原単位):150(kg/百万円) ●食品再生利用など実施率:40% ●水使用量(原単位):50.9(m3/百万円) ●丸亀製麺全店外部認証取得 | ●食品廃棄物排出量(原単位):185.8(kg/百万円)[未達成] ●食品再生利用など実施率:16.50%[未達成] ●水使用量(原単位):29.3(m3/百万円)[達成] ●環境マネジメントシステム認証:丸亀製麺全店導入完了[達成] | 丸亀製麺 KONA’s 肉のヤマ牛 トリドールジャパン | 目標7:安全な水とトイレを世界中に 目標12:つくる責任つかう責任 |
責任ある 経営基盤の 構築 | サプライチェーン・マネジメント | ●CSR調達アンケート対象企業の確定、アンケート内容の最終調整 | CSR調達における自社基準の 見直し実施[達成] | 丸亀製麺 KONA’s 肉のヤマ牛 トリドールジャパン | 目標8:働きがいも経済成長も |
リスク マネジメント システムの 構築 | ●ISO22301認証の維持 | ISO22301認証の取得実施[達成] リスク評価基準の見直し実施[達成] | トリドールHD 丸亀製麺 KONA’s 肉のヤマ牛 トリドールジャパン トリドールD&I | 目標13:気候変動に具体的な対策を |
カテゴリー | マテリアリティ | KPI |
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私たちの ハピネスを 高める | 私たちのハピネスを高める風土づくり | ●ハピネスを測定するサーベイの整備 ●女性の管理職比率:18% |
人が居続ける組織 | ●社員の離職率:15%未満 ●新規採用数(中途・新卒)の30%を内部登用 ●全従業員における永年勤続者率(10年以上):8%以上 ●労働災害 千人率:1.8未満 | |
一人ひとりの 成長の支援 | ●ハピネスを高めるコミュニケーション系研修の整備 ●麺職人資格者全店配置の維持 ●麺職人資格社員へのフォロー研修:100% | |
食の感動創造 | 食の楽しさ・豊かさの提供 | ●出店数:2,264店 |
食品安全文化の醸成 | ●(渋谷オフィス)フードセーフティ研修受講率:90% ●(店舗)外部衛生検査機関による年2回の衛生監査の実施 ●(店舗)食品衛生法上の行政処分:0件 | |
地球とともに | 気候変動対策 | ●CO2排出量:133(kt-CO2) ●CO2排出量(原単位): 0.86(t-CO2/百万円) |
資源循環の推進 | ●食料廃棄物排出量(原単位):175(kg/百万円) ●食品再生利用など実施率:17(%) ●水使用量(原単位):29.3(m3/百万円) ●テイクにおけるプラスチック使用量(原単位):40.2(kg/百万円) ●環境マネジメントシステム認証:丸亀製麺全店舗、一部トリドールジャパン(天ぷらまきの) | |
責任ある 経営基盤の構築 | サプライチェーン・マネジメント | ●サプライヤーへのアンケート実施 |
リスクマネジメントシステム構築 | ●ISO22301認証の維持 ●安否確認応答訓練(年4回)72時間以内、応答率:80%以上 |
GRIスタンダードやSDGs、ISO26000、グローバル・コンパクトなどの国際的なガイドラインやフレームワークを参考に、社会課題を網羅的に抽出。さらに、グループ役員・部門長など計18名に対する社内ヒアリングを実施し、セクターもしくは自社特有の課題を洗い出し、マテリアリティイシュー候補を選定。
マテリアリティイシューの候補に関して、外部有識者、将来世代/お客様、従業員との対話を実施し、イシューに対する妥当性や懸念点などを検証。
・一橋大学 商学部教授 加賀谷 哲之氏
・三井住友銀行 ホールセール統括部 サステナブルビジネス推進室 部長(当時)末廣孝信氏
・駒澤大学学生(将来世代/お客様代表)
・従業員(店舗・本社スタッフ)
一橋大学 商学部教授
加賀谷 哲之氏
トリドールグループは日本の食育や食事を世界に届けられる会社であると思う。美味しさはもちろん、飢餓や食品ロスの削減における旗手になるのではないか。
従業員の先に直接お客様がいるサービス業では、特に人材教育が非常に重要だと考える。働きたいと思われる会社になることで、自然と人材が集まる流れを構築して欲しい。
日本企業は海外の文化・生活風土の違いを受け入れることが苦手と言われる中で、トリドールグループは外国籍の方も沢山雇用されており、この部分は強みになると感じる。
サプライチェーンマネジメントにおける食材確保などの観点から、気候変動への対応は重要。気候変動は水やエネルギーなど、そのほかのさまざまな環境問題テーマにも結びついているため、どのように対策をするかを是非検討し、開示して欲しい。
従業員座談会
トリドールグループで働く店舗スタッフ、本社スタッフによる座談会を2回実施。トリドールグループが取り組むべきESG課題や中長期的な改善・活動強化のアイデア等について議論しました。
仮説の再検討
前ステップの検証結果をサステナビリティ推進委員会事務局にてマテリアリティに反映し、再度グループ役員・部門長などから意見を収集。社内外のステークホルダーからの意見を総合判断し、最終的な優先順位付けを実施。
経営層による決定
社会からの要請と自社における影響度の2軸で整理し重要度が高いと判断されたイシューをグルーピングし、
取締役会にて承認。
SDGs(持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない」世界の実現を目指し、2015年に国連により採択された、世界共通で達成すべき「17の目標と169のターゲット」です。
トリドールグループは「食の感動で、この星を満たせ。」をスローガンとしており、世界中に食の感動体験を提供するためには、事業を通じて社会課題解決に寄与することが重要だと考えています。そのため、トリドールグループのESGマテリアリティ(重要課題)とSDGsとの関係性をSDGコンパスや「Linking the SDGs and the GRI Standards」等から整理し、マテリアリティ活動と統合して取り組みを推進しています。
トリドールグループは、2020年8月に、国際連合が提唱する「国連グローバル・コンパクト(以下、 UNGC)」に署名し、日本におけるローカルネットワークであるグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンに加入いたしました。なお、UNGCに日本の外食企業から参加するのは当社グループが初となります。
UNGCは、各企業や団体が、責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する自発的な取り組みです。
当社グループは、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野からなる「国連グローバル・コンパクト 10原則」を支持し、「食の感動で、この星を満たせ」 という当社グループのスローガンに則り、今まで以上にグローバルな視点で、地域に根ざしたサステナブル活動を実践していきます。
国連グローバル・コンパクト 10原則
人権
原則 1 人権擁護の支持と尊重 原則 2 人権侵害への非加担
労働
原則 3 結社の自由と団体交渉権の承認 原則 4 強制労働の排除
原則 5 児童労働の実効的な廃止 原則 6 雇用と職業の差別撤廃
環境
原則 7 環境問題の予防的アプローチ 原則 8 環境に対する責任のイニシアティブ
原則 9 環境にやさしい技術の開発と普及
腐敗防止
原則 10 強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止の取組み
トリドールグループは自然資源を事業の根幹とし、世界の人々に食を提供している企業であり、気候変動への取り組みは経営において重要なインパクトを持つものと認識しています。
そのため、当社グループでは、2017年にG20金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」より最終報告された「気候関連財務情報開示タスクフォースによる提言」を重要なものであると位置づけ、提言に従った情報開示を進めています。
また、2022年10月にはTCFD賛同を表明し、TCFDコンソーシアムにも参加しています。その具体的内容として、2022年度においては、気候変動シナリオの詳細な分析を行っていきます。その後、順次事業におけるリスク・機会の明確化と、対策の検討、指標と目標の見直しを行っていきます。
トリドールグループは、食を提供する企業として、食やサービスといったテーマを主に、さまざまな外部団体へ参画をしています。
・公益社団法人 消費者関連専門家会議(ACAP)
・一般社団法人 日本フードサービス協会(JF)
・外食相談研究会
・特定非営利活動法人 日本食レストラン海外普及推進機構
・公益社団法人 日本監査役協会
・経営法友会
・公益財団法人 Save Earth Foundation(SEF)
・イオン同友店会
・公益社団法人 食の安全・安心財団