当中間連結会計期間(2025年4月1日~9月30日)の我が国経済は、雇用情勢や賃金の上昇等による所得環境の改善に伴い、消費動向は緩やかな回復基調にあるものの、物価上昇の継続による消費意欲の減速や地政学リスクの高まり等により、先行き不透明な経営環境が続いております。
このような環境において当社グループは、国内外において食の感動体験を訴求すべく、高付加価値の商品戦略やブランド価値の向上に取り組みました。また、店舗で働く従業員の満足度を高め、人材の育成及び定着化に取り組むとともに、従業員の幸福とお客様の感動が循環する「心的資本経営」を掲げ、持続的な事業成長を実現する新たな経営改革を始動しました。
これらの結果、売上収益は1,418億9百万円(前年同期比6.0%増)と、中間期として過去最高となり、丸亀製麺セグメント及び国内その他セグメントにおいても過去最高を更新しました。丸亀製麺セグメント及び国内その他セグメントでは、好調な既存店と新店寄与により増収となりました。一方、海外事業セグメントでは前期に実施した丸亀英国事業のフランチャイズ化や一部不採算店舗の閉店影響等により減収となりました。
事業利益(注1)は117億74百万円(前年同期比22.8%増)と、売上収益同様に中間期として過去最高となり、丸亀製麺セグメント及び海外事業セグメントにおいても過去最高を更新しました。丸亀製麺セグメント及び国内その他セグメントでは、原材料費や人件費等の増加を増収で吸収し、増益となりました。海外事業セグメントでは、英国経済が軟調に回復しつつあるなかで、外食市場の回復にはまだ時間を要しているものの、好調なアジア事業の貢献のほか、丸亀英国事業のフランチャイズ化に伴う収益改善等により、増益となりました。
また、海外子会社における店舗休業補償(コロナ禍)に関する保険金のほか、閉店に伴うリース解約益等を計上したことにより、その他の営業収益は21億98百万円となりました。一方、MC GROUP PTE. LTD.の株式を売却したことに伴う株式売却損として8億52百万円を計上したこと等により、その他の営業費用は14億13百万円となりました。これらの結果、営業利益(注2)は123億92百万円(前年同期比64.0%増)と中間期として過去最高となり、親会社の所有者に帰属する中間利益も59億68百万円(前年同期比113.3%増)と増益となり、営業利益と同様に過去最高を更新しました。
(注1)事業利益=売上収益-売上原価-販売費及び一般管理費
(注2)営業利益=事業利益-減損損失+その他の営業収益-その他の営業費用
丸亀製麺セグメントにおいては、お客様に選ばれ続けるために、更なるブランド力の向上と顧客体験価値の向上に取り組んでいます。ブランディングと商品プロモーションを組み合わせ、相乗効果を狙うハイブリッド戦術を展開し、製麺所ストーリーを感じられる五感に訴える空間づくりと、全店在籍の麺職人(注6)によるおいしさの追求により、『丸亀ファン』を増やす様々な取り組みを実施しています。
季節ごとのフェア商品については、夏の定番「鬼おろしぶっかけうどん」のほか、7月8日からは新作の「冷たーい旨塩うどん」3種を発売しました。冷たいのど越しの良い打ち立てうどんと、昆布とホタテの旨みたっぷりの今までにない“冷たい塩だし”に、仕上げに黒胡椒を加えることで味が締まり、暑い夏に食べたくなる一杯として、シリーズで約425万食の大ヒットとなりました。
9月9日からは、まだまだ暑さが終わらない秋のはじまりに、敢えて冷たいうどん2種を発売しました。「旨辛 豚つけ汁うどん」はラー油を効かせた旨辛な味わいのつけ汁で、価格はそのままで3玉まで麺の量を選べるため、幅広い層の方からご好評をいただきました。「柑橘香る ねばとろ鶏ぶっかけうどん」は、さわやかな柑橘の酸味と刻みオクラが入ったとろろが相性抜群の一品で、どちらの商品もまだまだ暑い日々にぴったりと、9月末までに2商品合計で約170万食販売するなど、大きな反響をいただきました。
また、昨年から販売中の「丸亀うどーなつ」では、初のグループ内コラボレーションとして7月に“いちばん近いハワイ”をコンセプトとする「コナズ珈琲」監修の「アサイーベリー味」を発売しました。シーズンごとにラインナップを変えて販売している「丸亀うどーなつ」は、ご購入いただいたお客様の3人に1人がリピート購入しているなど幅広い年齢層から好評を博し、発売から1年3か月で2,000万食(注7)を突破し、丸亀製麺の定番商品へと成長しています。
これらの取り組みにより、売上収益は713億66百万円(前年同期比9.6%増)と中間期として過去最高となりました。原材料費及び人件費等が増加しましたが、増収で吸収し、事業利益も中間期として過去最高の126億95百万円(前年同期比11.4%増)と大幅な増益となり、事業利益率も中間期として過去最高の17.8%となりました。
(注6)麺職人:理想的なうどんを作る専門人材で、丸亀製麺独自の人材育成システム
(注7)2024年6月25日~2025年9月15日の期間、「丸亀うどーなつ」を販売する丸亀製麺店舗における累計販売数
国内その他セグメントには、「コナズ珈琲」、「ラー麺ずんどう屋」、「肉のヤマ牛」、「晩杯屋」、「天ぷらまきの」、「とりどーる」、「豚屋とん一」、「長田本庄軒」、「焼きたてコッペ製パン」が含まれております。
“いちばん近いハワイ”をコンセプトとするコナズ珈琲は、出店を加速しており、7月10日には千葉県鎌ケ谷市に鎌ケ谷店をオープン、7月31日には福島県への初出店となった郡山店をオープンしました。また、7月17日からは「丸亀うどーなつ」とのコラボレーション企画として、マラサダ(アサイー)を新発売するとともに、これまで一部店舗のみで販売していたマラサダを全店展開することとしました。食材の高騰に伴う原材料費の増加及び人員の充足に伴う人件費の増加のほか、好調な出店が続いていることによる出店費用等が増加したものの、増収により増益となりました。
豚骨ラーメン専門店のラー麺ずんどう屋は、7月11日に広島矢野店(広島)をオープンし、計106店舗となりました。7月1日からは新商品「ずんどう屋流冷やしらーめん」を期間限定で発売したほか、訪日外国人向けに一部の店舗限定で「黒毛和牛ローストビーフらーめん」を発売するなど、新店及び既存店が好調に推移し、増収増益となりました。
その他の業態においても、揚げたて都度出しでご提供する天ぷら専門店の天ぷらまきのや、立ち飲み大衆酒場の晩杯屋等を中心に既存店が好調に推移し、売上収益は203億28百万円(前年同期比19.5%増)と、中間期として過去最高となり、原材料費の高止まりの影響はあるものの、増収で吸収し、事業利益は22億52百万円(前年同期比1.7%増)と増益となりました。
海外事業セグメントでは、主に香港でスパイシー米線ヌードルを展開する「Tam Jai」、アジアや北米等で丸亀製麺を展開する「MARUGAME UDON」、英国でナポリピザ「FRANCO MANCA」とギリシャ料理「THE REAL GREEK」を展開する「Fulham Shore」を中心に、その他いくつかのブランドで構成されています。
スパイシーヌードル業態のTam Jaiは、前期に実施した中国やシンガポールにおける不採算店舗の戦略的閉店等により若干減収ではあるものの、前期において収益を圧迫していたデリバリーコストのコントロールを強化したほか、原価及び人件費等のコストコントロールが奏功しました。また、自社アプリの見直しや各種キャンペーンの実施等の効果もあり、増益となりました。また、7月29日にはマレーシアに初出店するなど、香港以外の新たな国への出店も進めています。
MARUGAME UDONは、前期に実施した英国事業のフランチャイズ化による減収はあったものの、台湾や北米等の各拠点が好調に推移したことで全体としては増収となり、英国事業が黒字化したこともあり、大幅な増益となりました。また、7月3日にはUAE・ドバイに初出店、9月15日には韓国・ソウルに再展開の1号店をオープンし、いずれも好調に推移しています。
英国が拠点のFulham Shoreは、英国経済が軟調に回復しつつあるなかで、外食市場の回復にはまだ時間を要しているものの、国内事業の高い知見を有する人材を送り込むことで、モデル店舗における生産性の向上や収益改善に一定程度の効果が見え始めており、さらなる検証を進めています。
また、海外事業セグメント内の事業ポートフォリオの見直しを機動的に進めております。Tam Jaiを運営しているTam Jai International Co. Limitedは非上場化に向けた株式取得手続きが順調に進み、8月15日付に効力発生、同月19日付にて香港証券取引所上場廃止を経て、当社の完全子会社となりました。連結子会社であるWOK TO WALK FRANCHISE B.V.については、株式の追加取得により8月13日付で完全子会社となりました。そのほか、主にシンガポールでMONSTER CURRYを運営するMC GROUP PTE. LTD.の株式を9月30日付で売却しています。
これらの結果、売上収益は501億15百万円(前年同期比2.8%減)、事業利益は中間期として過去最高の25億50百万円(前年同期比177.7%増)と大幅な増益となりました。
百万円(前期比)
売上収益 | 282,000(+5.1%) |
|---|---|
事業利益 | 19,600(+7.7%) |
営業利益 | 14,600(+68.3%) |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 5,500(+193.5%) |